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節税についてなど、専門家が税務の事を解説! 決算料0円からの、茨城の税理士事務所です。

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新型コロナウィルスの影響で、前年の同月比で50%以上売上高が減少すると持続化給付金の対象になる可能性があります。

そこで、一番多い相談は「当月の売上高はどうやって計算するの?」や「昨年度の○○月の売上高はいくら?」「うちはもらえる?」です。

結論から言うと、提出書類である「法人事業概況説明書」の該当月の売上高の50%以下になっていれば対象となる可能性があります。

そして、この売上高とは原則として実現主義で計算します。
簡単に言えば物を引渡した日あるいはサービスを提供した日に売上高を計上します。
例えば、4月30日に物を引渡し、5月2日に入金された場合、売上高は4月分で計上します。5月売上ではありません。

  しかし、去年の法人事業概況説明書の期中の各月を入金ベースで売上高を計算し、決算月で実現主義に訂正している場合はどうなるのでしょうか?

  比較のために当月も入金ベースで売上高を計算しても良いのでしょうか?
この点経済産業省では触れていません。

  触れていないということは制度の原則通り実現主義を適用すると思いますが、
去年の法人事業概況説明書の売上高が入金ベースで計上していれば前年の同月と比較するために、当月も入金ベースで売上高を計算しても良いという意見も多くあります。

  けれども、この入金ベースだと意図的な不正が可能になってしまいます。
給付金を得るために、「月末の入金を翌月に回してしまえ」など・・・

  そして、仮にこれが給付金目的であるか否か、故意であるか否かに関わらず、
不正を疑われれば、事後的に返還を求められる恐れもゼロではないと思います。
そう考えると、実現主義で比較した方が良い気がします。

  去年の該当月の請求書と今年の請求書を比較して50%以上減少していて、かつ法人事業概況説明書の売上高との比較も50%以下になっている月を確認して申請すればほぼ大丈夫でしょう。
そして何より重要なのは、給付金申請で使用した売上台帳の売上高と今年の法人事業概況説明書の売上高の金額を合わせるということです。

  特に会計事務所に申告書の作成を依頼している方はこの点の意思疎通が必要になります。
最後に、持続化給付金はスピーディーに申請者に届くようにするために事前の調査よりも事後的なチェックの方が厳しいとも考えられます。

  なので、受給して満足するだけではなく、仮に調査されても耐えられるだけの準備は必要だと思います。

                                                      茨城本部 大河原
記事のカテゴリ:その他
私たちの税理士業界では、お客様から「会計士さん」だとか「計理士さん」といった呼ばれ方をすることがたまにあります。厳密に言うと異なるものですが、あえてその間違いを訂正するのも面倒だし、仮に「会計士さん」と呼ばれたところで何ら影響ないので私はいつもそのままスルーしてしまいます。

 税務会計の仕事に携わっていると、同じように微妙にニュアンスが違う言葉でも何となく会話としては成り立つが、こちらに関してはスルーすることなく、しっかりその違いを認識していないと有らぬ誤解を招くこともあります。

 例えば「数次相続」(すうじそうぞく)という文言があります。簡単に言うとある人がお亡くなりになったが、遺産分割が終わらないうちに遺産分割協議者の一人が亡くなってしまい、その相続手続きも進めなければならない状況を言います。

 それと似た言葉で「相次相続」(そうじそうぞく)という文言があります。これは相続税法上の文言で、読み方としては、たった一文字の違いなのですが、最初の相続の相続人が最初の相続発生から10年以内に亡くなった場合の相続税の税額計算に関するものであり、数次相続のそれとは全く意味の異なるものです。

 それでは、「再転相続」(さいてんそうぞく)についてはどうでしょうか。これは「数次相続」と非常に似通った文言ですが、ひとつ決定的な違いは発生した相続に関する承認もしくは放棄の意思表示の有無です。
 「再転相続」は、相続するか放棄するかのジャッジをする前に次の相続が発生してしまったケースをいい、「数次相続」は、そのジャッジを示した後に次の相続が発生した場合のことです。

 本来数次相続であるべきところを再転相続と言ったところで何ら影響のないことのほうが多いかも知れませんが、相続放棄の有無だとか相続人の確定だとかの実態を正確に把握できていないと遺産分割及び相続税額の想定といった初期始動にあたって思わぬ躓きもあり得ますので、本当はどちらの意味で言っているのかの意思疎通を間違えないようにする必要がありそうです。

埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:相続対策
私の身の上について少々。家族構成は結婚して15年目となる妻がいて子宝には恵まれず、夫婦二人暮らしです。年老いた両親は今のところ健在。その他は実の兄が一人おります。

 職業柄か、それとも昨今のコロナ禍の影響か、この頃自分が死んだ場合の相続についてふと考えてしまいます。

 今、私が死んだ場合は妻と私の両親が相続人となり、今とは言わずとも両親が他界した後だと妻と私の実兄が相続人となります。幸いなことに両親、実兄とも私の妻とは良好な関係である(と思う)し、まあ遺産相続で揉めることなく私の残した財産は妻のもとへ相続されるだろうなと気楽に考えておりますが、そのようにならないことだってあり得ますし、その場合、自分の死後の財産の行方を生前のうちに手を加えコントロールしておく必要すらあります。

 手を加えるということはどういうことかというと、いわゆる「養子縁組」だとか「遺言書作成」だとか「生前贈与」といったことを生前のうちに実行することによって手を加えない状態よりも、より自身の死後の財産の行方を自身の意思でコントロールするということです。

 私の場合、子供がいないことからまずは、全財産が妻へ相続されることを望んでおりますが、私より妻が先に死んだ場合は実兄か相続人ではない甥、姪に渡したいと考えております。

 甥、姪に財産を相続もしくは遺贈させたい場合には「養子縁組」「遺言書作成」のどちらかの手法がとられることになります。相続税がかかる場合は、相続税額の2割加算も念頭に入れて養子縁組するということも検討が必要となりますが、仮に兄弟姉妹が複数名いる場合は注意が必要です。例えば、配偶者も子供もいなく、兄弟姉妹が10人いた場合、甥姪に財産を渡したいと考えるも相続税額の2割加算を考慮して養子縁組してしまうと法定相続人は1名、といいうことは基礎控除額が3600万円。2割加算でも構わないので遺言書を作成し甥、姪等に遺贈するとした場合、相続が発生した段階で他の兄弟姉妹が全員生存している場合は、基礎控除額が9000万円。全員既に亡くなっていてそれぞれ子供が3人ずついた場合は、法定相続人は30人・・・。基礎控除額は・・・。まずないかと思いますが、理論上はそういうこともあり得るのかと思われます。

 いずれにせよ、「養子縁組」するか「遺言書作成」するかで全く納税額が違ってくることも考えられますので注意が必要です。

埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:相続対策
平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属から贈与を受けて自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築等の対価に充てるための金銭を取得した場合に一定の要件を満たすとき贈与税が非課税となります。


要件を満たす場合、最大3,000万円まで贈与税が非課税となります。

ただし、納める贈与税が0円だったとしても贈与税の申告をする必要があります。


この適用を受けるための一定の要件は細かく定められております。

その中でも特に注意が必要な要件を紹介します。

・贈与を受けた都市の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること

この要件の中でもっとも注意すべきなのが贈与を受けた同年に不動産を譲渡したケースです。新しい家を買う為に所有する不動産を譲渡する場合はその際の所得も合算して2,000万円以下にしなければならないので注意する必要があります。


・新築又は取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

登記簿上の床面積が240㎡以下の物件であることを事前に確認しておく必要があります。


実際にこういった要件を満たしておらず、規定を適用できないという方が存在します。

贈与などを考えてらっしゃる方は税理士法人優和までご連絡ください。
記事のカテゴリ:税務情報
税金の納付には期限があります。そのため、期限を気にしながら慌てて金融機関に出向くことが必要な場面もあります。

税金の納付方法は、金融機関や官公庁の窓口による納付だけではなく、口座振替による納付、クレジットカード決済による納付、ダイレクト納付などの方法があります。
口座振替やダイレクト納付は非常に便利ですが、届出までに時間を要するため、事前の準備が必要です。クレジットカード決済もポイントがたまる利点がありますが、手数料がかかることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

そういった場合にはQRコードを利用したコンビニ納付はいかがでしょうか。
昨年の1月4日から利用可能となった納付方法です。国税庁のHPでQRコードを作成し、ご自宅のパソコンであれば、そのQRコードをプリントアウト、スマホであればその画面をコンビニに持参し、コンビニの端末に読み取らせれば納付書を出力できます。それをレジで支払えば納付完了です。

この国税庁「QRコード作成専用画面」は24時間対応のため、夜間や休日でもQRコードを作成できますし、コンビニ払いですので、金融機関の窓口の時間を気にすることなく納付が可能となります。

この納付方法は事前の届け出等の手続きが一切不要な点が利点といえるでしょう。国税庁の「コンビニ納付用QRコード作成専用画面」に入り、名前、住所、税目、納付金額等の必要事項を入力すればすぐに作成できます。
ただし、30万円を超える場合は利用できません。
同様に、QRコードでクレジットカード決算も利用できません。現金納付のみとなります。

場合場合によって、納付方法を選択し、期限内に適切に納付を行いましょう。

税理士法人優和では、さまざまな税のご相談に対応しております。
お問合せはぜひ税理士法人優和までご連絡ください。
記事のカテゴリ:税務情報
やっとのような、これからのような、新しい時代への流れを感じる改正が本年より施行となります。

未婚のひとり親の所得控除の創設と寡夫控除の見直しについてです。

◆未婚のひとり親の所得控除の創設
令和2年分の所得税からは、未婚のひとり親であっても、以下の要件をすべて満たす場合には35万円の所得控除を受けられるようになりました。

1.生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)がいる
2.合計所得金額が500万円以下である
3.住民票に事実婚の夫(もしくは妻)がいる旨の記載がない

◆従来の寡婦(寡夫)控除の改正
・寡婦控除の場合にも、合計所得金額500万円以下の要件を追加
・住民票に事実婚の夫(もしくは妻)がいる旨の記載がないことの要件を追加
・生計を一にする子がいる寡婦(寡夫)とともに35万円の所得控除に統一


これまで、離婚や死別等によるひとり親には「寡婦(寡夫)控除」という制度があるものの、婚姻歴のないひとり親に対しての税制上における支援はありませんでした。

また、寡婦(寡夫)控除に関しても、寡婦(女性)と寡夫(男性)との、要件の違いから不公平感が指摘されてきました。

そうした境遇や性別による不利益は、親だけではなく子どもにも及ぶ問題であるとして、以前より多くの声があがるなかでの改正となりました。

多様化し、様々な価値観が認められる社会へと移り変わっていくなかで、税制も複雑となる部分もありますが、今回の改正が多くの人にとって安心し生活できるような社会へと繋がる第一歩となることを願います。

茨城本部 渡辺 
記事のカテゴリ:税務情報
昨今、巷を賑わせているふるさと納税を利用した方は多いと思います。

ふるさと納税は、所得に応じた限度額の範囲内であれば、手数料の2,000円の自己負担はあるが、納税金額が翌年の住民税からダイレクトに控除され、かつ基本的に納税額の30%の返礼品を受け取れる大変お得感の高い納税制度であると思われます。

今では多くの通販サイトがふるさと納税を利用しており、返礼品の品揃えだけではなく、納税金額まで幅広く設定されています。中には100万円を超えるふるさと納税もあるようです。

しかし、このふるさと納税の返礼品は確定申告時の一時所得の対象になることをご存知でしょうか?
一時所得の申告の対象は原則50万円を超えた場合には必要になります。
高額所得者が限度額いっぱいまでふるさと納税をした結果、返礼品の合計金額が50万円を超えるなんてことも・・・

この50万円の基準は何で決めるかというと、ショッピングサイトや市場で取引されている価格で判断することになります。

返礼品の多くは何かしらの形式で売買取引されているものなので、大まかな金額は推定できると思います。

また、高額所得者に限らず、懸賞で高額商品に当選された方もその懸賞品は一時所得の対象になるので、同年にふるさと納税の返礼品を受け取った方は合計すれば50万円を超えてしまい、確定申告時期に一時所得の申告が必要になることも考えられます。

なので、高額所得者や高額の懸賞に当選された方、あるいは何らかの形で一時所得の対象に該当する物がある場合は、返礼品とその他の合計が50万円になるかどうかを念頭に入れることが必要になると思います。

もし、50万円を超えそうな場合には返礼品の受け取りを翌年にずらしてもらう等の対策が必要と考えられます。

茨城本部 大河原
記事のカテゴリ:税務情報
前回は準確定申告において注意すべき論点についてまとめましたが、今回はその続きです。不動産所得のような毎年確定申告する必要のある方が亡くなった場合、準確定申告以上に気を付けなければならないのが、税務署への届出です。

 特に気を付けたいのが青色申告承認申請と簡易課税制度選択の届出ではないでしょうか。ともに期限内に届け出を出さないとその適用を受けることができないという点で細心の注意が必要となります。

 青色申告承認申請については、被相続人が生前青色申告の承認を受けていたかいないか、その事業を引き継ぐ相続人がその事業を引き継ぐ前から他の事業を行っていたか否かで届出の期日が異なりますが、その要件どおりにあてはめれば、さほど難解なことはありません。難易度からすると「入門編」といったところでしょう。

 その点、少々厄介なのが消費税における簡易課税制度の選択届出ではないでしょうか。相続によって事業を承継した相続人が簡易課税の適用要件を満たす場合、原則は相続のあった年の12月31日までに簡易課税選択の届出を出すことによって相続のあった年から簡易課税の適用を受けることが可能ですが、そもそも簡易課税の要件に当てはまるかだとか、納税義務があるかどうかの判断が、被相続人の基準期間のみならず、事業を承継する相続人が相続発生前に他の事業を行っていた場合にはそこも絡んでくることからその判定は難解なものとなります。

次のような場合はどうでしょうか?例えば12月15日に相続が発生した場合、物理的に不可能ではないのでしょうが年末までに簡易課税選択の届出を粛々と提出できる状態ではないことは明白であり、このような場合には12月31日から遡り概ねその1カ月前までに相続が発生した場合についてその届出を翌年2月末までに提出することで、相続があった年から簡易課税の適用が受けることができます。

 届出関係以外にもそもそも納税義務があるかどうかの判断として例えば亡くなった方の事業を承継する相続人が複数いた場合はどうでしょうか?相続が発生した年の12月31日までに未分割の場合、その年の消費税について納税義務があるかどうかの判断は被相続人の基準期間における課税売上高を法定相続分に分けて各々判断することとなっております。 

 それではその翌年に遺産分割協議が成立した場合、その年の納税義務の判定は被相続人の基準期間において遺産分割協議どおりの持ち分に応じて判定されるのでしょうか?実はこの場合、東京国税局文書回答事例によると相続が発生した年に続き、法定相続分で納税義務を判定することも差し支えないとされております。もし、遺産分割協議通りに判定した場合と法定相続分で判定した場合で課税事業者になるかならないかの結論が異なる場合は、その判定に細心の注意が必要になることでしょう。

 この他にも稀なケースでは課税事業者選択届出であったり、不適用届出であったり相続が発生したことにより影響の出るものが多々ありますので個々の案件に照らし合わせながら検討及び判断が必要となります。

埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:税務情報
不動産所得のある地主さんのように毎年確定申告をしている方が亡くなった場合、その年の1月1日から亡くなった日までの所得について、亡くなった日から4カ月以内に確定申告をする必要があり、これを準確定申告といいます。

 準確定申告については、基本的には確定申告と変わりはないのですが、少し注意が必要な点がありますので、ひとつずつを検証してみます。

①家賃収入はどこまで計上すべきか?
原則は例えば11月13日に亡くなった場合、通常11月分家賃について10月末が支払い期限であることがほとんどで、この場合10月末までに受領した11月分家賃までが準確定申告の収入金額となります。
ただし、継続記帳等の一定要件を満たせば13日までの日割計上した家賃分について準確定申告とすることも可能です。

②必要経費となる固定資産税はどこまで計上できるか?
前提として固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に対して賦課されるものですが、納税通知書が送られる前に亡くなった場合、準確定申告の必要経費には算入することはできません。

何となくその年の1月1日に支払義務が確定されているように感じますが、あくまでも1月1日は課税される者が確定されるだけで、その時点で納税義務は確定しておりません。

相続開始前に納税通知書が送付されている場合は、全額でも納期到来分でも納付済み分でも必要経費とすることが可能で、その固定資産税が賦課された財産を相続により取得した相続人がその後、確定申告する際は亡くなられた方が必要経費とした分以外の固定資産税が必要経費となります。いわゆる裏表の関係です。

③扶養控除について
扶養控除については、意外と弾力的な扱いとなっており、例えば年の途中で亡くなられた方の扶養となっていた子は、準確定申告にあたって扶養控除の要件を満たしていれば控除でき、さらに確定申告においてもその子は、扶養控除の要件を満たしていれば亡くなられた方の配偶者の扶養控除の対象にもなることができ、年間で重複して扶養控除の対象者となることができます。

 逆に年の途中で亡くなられた方についても要件を満たしていれば扶養される側として扶養控除の対象となります。本来の要件はその年の12月31日の現況なのですが、亡くなられた場合は、亡くなられた時点までの扶養の事実によって決まりまるためです。

④翌年の住民税は?
所得税については、亡くなった年の収入についても課税されるのですが、住民税についてはその年の課税についての賦課期日は、翌年1月1日現在で判定され、その時すでに亡くなっていることから住民税については課税されません。

極端な話、亡くなった年に10億円の長期譲渡所得があった場合でも5%の住民税分5000万円は課税されないこととなります。
以上、準確定申告についていくつかの論点について検証してみました。
埼玉本部 菅 琢嗣
記事のカテゴリ:税務情報
会社が支払った経費が給与になるのか事業所得(外注費)になるのか、税務調査などでよく問題となる点です。また、近年就労形態の多様化に伴い、給与所得と事業所得(外注費)の区分が明確にならないケースがあることから、両者にどのような違いがあるのか検討したいと思います。

(1) 給与と事業所得(外注費)の税務上の違いについて

① 給与
アルバイト パート 社員などいろいろな雇用形態がありますが、すべて給与支払い時に所得税の源泉徴収義務が生じます。また、給与に対しては消費税はかからないので、不課税取引と取り扱われます。

② 事業所得(外注費)
外注費の場合は、源泉徴収の必要はありませんが、外注費の支払いには消費税がかかりますので、消費税は課税取引として取り扱われます。

(2) 給与と事業所得(外注費)の判定基準について
給与所得と事業所得は基本的には下記の通り区分されます。

①  給与 
雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価

②   事業所得(外注費)
  請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価
ただし、実務上は形式的に契約書があれば外注費になるというものではなく、その区分が明らかでないケースおあり、その場合は下記の事項を勘案して総合的に判定することになります。

・代替性の有無
他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することがみとめられるかどうか  
 
・拘束性の有無
報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束を受けるかどうか

・指揮監督の有無
業務の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督を受けるかどうか

・報酬請求権の有無
不可抗力のため業務が完了していない場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか

・材料又は用具等の供与の有無
業務に必要な材料又は用具等を報酬の支払者から供与されているかどうか

  また、東京国税局では給与所得と事業所得の区分の参考として「給与所得と事業所得の判定検討表」を掲げています。(紙面の関係で今回は割愛させていただきます。)
給与か事業所得(外注費)かの判断は必ずしも上記の基準のみで判断されるものではなく、個別ごとに契約内容、業務実態に応じて総合的に判断することになります。

  会社が事業所得(外注費)として処理していたものが税務調査で給与とされてしまうと、外注費に係る消費税の仕入税額控除が否認され、給与に係る源泉所得税が徴収されます。
給与所得か事業所得かの判断に迷われた場合には、お近くの税理士法人優和までご相談下さい。

                                                       東京本部 佐藤



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